G-40MCWJEVZR 海外作品 - おひさまの図書館 - Page 4

海外作品

世界文学旅行

体制・逃亡者・村人、二十世紀的なモチーフの中に生きる”私たち”「狼たちの月」「密やかな結晶」フリオ・リャマサ―レス、小川洋子

スペイン内戦は1936年7月から1936年4月の間に、スペイン第二共和国政府に対して将軍が率いた陸軍によるクーデターから始まったスペイン国内の抗争。反乱軍の勝利に終わり、独裁政権の樹立へと繋がる。そうした大きな歴史の流れの中に見えなくなって...
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『ザリガニの鳴くところ』2年連続米国で最も売れた小説、ジェンダー的ヒロイック

女性性の生命力、男性性の暴力性  全般的に物凄く魅力的な作品に仕上がっている。特にこの生命力と、作品性の豊かさは目を見張るものがあるし、ある死体の発見からクライムノベル的なフーダニットが存在するが、本作のリーダビリティは圧倒的に主人公の少女...
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作家がその人生に見出した虚構性『たんぽぽのお酒』で思い出す『無声映画のシーン』レイ・ブラッドべリ、フリオ・リャマサーレス

書くことの効能や、物語にすることの効果については色々言われるところだと思うが、その生業は夢遊病者やほら吹きのようでもあるし、壮大な夢やちっぽけな愛おしさが、いかに自分の胸を打ち、他人にとっての価値になるのか。たかが文書、たかが物語の、現代に...
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言語芸術への敗北と到達『双眼鏡からの眺め』イーディス・パールマン

本作の翻訳版の初版は二〇一三年五月、私は時期的にその少しあとぐらいまで読書をしていたのかなと思う。当時私が本著を手に取ったのは題名と装丁が素敵だったから程度の選択で、正直に言うとその時の私はこれを読み終えずに図書館に返却した。 本著は三十四...
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カズオ・イシグロに感じた軽薄さの正体『わたしを離さないで』間違いなく傑作

ブッカー賞・ノーベル賞受賞作家の代表作、そして傑作なんでしょう、私も感動しました。しかし非常に複雑。これを大声で素晴らしいと言える人、すごいな純粋に。それほど退屈で、完成度が高く、疑問符が残る作品。ある意味でこのつまらなさは日本の純文学的なことなのかも?
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作品の魅力と作家の実力『クララとお日さま』カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロ
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現代日本と関係がなくても、他の誰が読まなくても、私が確信すればそれは文学『都会と犬ども』マリオ・バルガス=リョサ

ネット上で散見される攻撃的な困ったちゃんから、何も獲得出来なさそうなチー牛こと弱者男性などのバーチャルから、現実的な愛しいあの人まで、全部ひっくるめた全ての男性への憐憫と慈愛の一考が止まらない一冊!