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海外作品

世界文学旅行

啓示としての文学が成立する確率、ディストピア文学を貫く古典名著『一九八四年』ジョージ・オーウェル

ディストピア文学といえばこの作品。 シリーズ2回目として、古典の代表格を読みました。 プロット的には陳腐、結構つまらない展開を見せるし、途中のロマンスも彩でしかないとは思うのだが、キーワードから見る本作のモチーフやテーマ性は明確、「全体主義...
世界文学旅行

現代韓国というディストピア『サハマンション』チョ・ナムジュから始めるディストピア文学シリーズ

以前、韓国ジェンダー・アンソロジーで表題作かつ一番面白かった目玉作家として『82年生まれ、キム・ジヨン』という作品でベストセラーになったらしいチョ・ナムジュを初めて知った。 2024年ノーベル文学賞を韓国のハン・ガンが『菜食主義者』が獲り、...
世界文学旅行

打倒する惑星の大きさ、人類のための形式 革新の価値が高いアカデミズムと、確信の価値が高い読者評価② ポストモダンシリーズ完結

最後だっていうのに、目次見て気絶しませんように。 一区切りつきましたピンチョンとポストモダン。これにて世界文学旅行、2地域目のアメリカ、いったん終了です。まさかの足掛け3か月で5記事、文字数は考えたくありません。でも色々見えてきたものがあり...
世界文学旅行

最も売れたポストモダン小説?『競売ナンバー49の叫び』革新の価値が高いアカデミズムと、確信の価値が高い読者評価~ピンチョンとは何だったのか?①

世界文学旅行2地域目として、米国・リチャード・パワーズを続けて2冊読み考えてきて、特にアメリカにおける近現代文学に少し詳しくなれた気がするが、過程の文脈の中で何度も出てきたトマス・ピンチョンを避けて通れなくなってきた。 前回あれほど扱ったピ...
世界文学旅行

21世紀におけるポストモダンの乗り越え方と物語の倫理性、ピンチョンの否定性とパワーズの再構築『重力の虹』ポストモダンシリーズ③

物語の未来への異なる答え、世界を知りえない時代の語りの戦略。終末的世界観と希望的連環、陰謀と憧憬、ポストモダンが破壊した語りをどう再生するのか、小説に世界を変える力はあるか?ポストモダンの金字塔とポストポストモダン的作家の作品を読み比べなが...
世界文学旅行

ポスト・ポストモダン文学の金字塔の不発的要因の中で輝く持続的世界への渇望『オーバーストーリー』リチャード・パワーズとピンチョンとはなんだったのか?②

十年ぶりのリチャード・パワーズとして前回『囚人のジレンマ』を読んだが、個人的に趣味ではないポストモダンについて考えたり、パワーズの作家性に不安になったりしながら、今回は二冊目。 私の杞憂をあっさり覆しながら、主題や志向性が文学性にとっていか...
世界文学旅行

私が愛する文学性と構造上のポストモダン、人類のための形式『囚人のジレンマ』リチャード・パワーズとピンチョンとはなんだったのか?①

近代アメリカ文学を読む、ということが文学史における何になるのか。 ふと気軽に読み始めたアメリカ文学でポストモダンを考えることになって、金融や政治の印象が強すぎる個人的な現代社会にとってのアメリカの前に、文学にとってのアメリカと文化にとっての...