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現代国内

文芸

完全なる上位互換、絲山秋子で見えてきた津村記久子の真価「沖で待つ」『御社のチャラ男』絲山秋子②

自分にしか書けないものが書けるようになるまで2と題しつつ、上位互換・絲山秋子により際立って思い出された津村記久子に感じる文学性の無さ。共通項や文学性の高低を考えて見えてきた近代日本文芸と芥川賞の近代化と一般化の流れと時代的変化。 芥川賞企画...
文芸

生き抜いた中年女性と構造の唯一性『沖で待つ』『イッツ・オンリー・トーク』『ニート』『御社のチャラ男』絲山秋子①

構造の中の声の純度として最高傑作が芥川賞を受賞しつつ、その潮流の継続を果たし、以降にも影響を与えたことから2000~2020年代を語るうえで避けて通れない一人として、今回は待ちに待った絲山秋子さん。 20歳前後まで読書をしていた時期に、デビ...
文芸

若い女性の商業利用と「読む倫理」平成の爆発、美少女小説家の潮流②『私をくいとめて』『パッキパキ北京』綿矢りさ

売れても売れなくても難しい個人を貫く作家性と資本主義時代の文学性と、誰が語るかの特権から、どう読むかの倫理と、権威からの再接続へ。 ポストモダンの記事の時の、文芸が、語りのための形式から、形式のための形式になり、21世紀は人類のための形式に...
文芸

平成の爆発、少女小説家の潮流①完璧な初期三部作に惚れ惚れするはずだった『夢を与える』綿矢りさ

あれほど頭がいい人が、なぜこんなにもつまらないものを書くのか? 私はそれが疑問で、失望して、読むのをやめてしまった、運命の3作目。 このブログではすでに、先日の川上未映子や、令和の天才新人たる宇佐見りん、他にも例えば村田紗耶香とかもすでに扱...
文芸

てっとり早く何者かになれる恋愛・結婚・出産に閉じ込められてきた女たちの現代的姦しさと黄昏、男性の許しを必要としない新しい命『夏物語』川上未映子③

正直、本作は草稿レベルだけど、このように自分が書くべき物語を持つ作家は強い。 芥川賞機企画として進めていく中で、弱者男性と資産運用やカルト集団等の羽田圭介を挟んで、また川上未映子に戻ってきました。受賞作、恋愛小説、代表作、と進んできて興味を...
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配当生活とカルト、いつだって自分で決められる時代に、人は何の信者になるのか?『Phantom』羽田圭介②

面白かった!! 最初は、資産形成や年間配当を増やして自分の分身を作る、という主人公設定をメインに興味を引いたが、中盤以降の展開はその主人公=彼女から見た恋人の傾倒するオンラインコミュニティ・現代的なカルト集団の様相や、「資本主義(労働より金...
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弱者男性文学の総本山=芥川賞が現代で機能しなくなったわけ『スクラップ・アンド・ビルド』『バックミラー』羽田圭介

私は以前から、海外作品であれば男性作者を、国内作品であれば女性作者を読みたがる不思議を自分に感じていたが、今回はそれが腑に落ちた気がするし、純文学的な狭さと世界文学的な広さの違いになぜ私が心惹かれ、私の主題や求める文学性がどこにあるのか、と...