G-40MCWJEVZR 【映画】年の差恋愛論争は避けられないが、キャスティングは満点『恋は雨上がりのように』40点 - おひさまの図書館 つまらない・小松奈々・大泉洋・アニメ・年の差
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【映画】年の差恋愛論争は避けられないが、キャスティングは満点『恋は雨上がりのように』40点

【映画倉庫】

(2018)
 45歳バツイチ子有り男性と、17歳の女子高生の恋をギリギリ成立させた作品。
 青春の1ページの奇跡であり、そのような架空の回顧虚構であるし、魅力的な小松菜奈を制服姿や陸上姿の10代で閉じ込めた素晴らしい作品性。冴えない中年の冴えない日々に突如差し込んだ希望、長い人生の中のあるワンカットだからこそ魅力的に仕上がる束の間の最高潮。

ファミレスの店長と女子高生アルバイトの恋を描く恐怖と魅力

 「ごみを見るような目」で自分を見てくる17歳の女子高生アルバイト橘あきら(小松奈菜)に、嫌われているのではないかと心配しているファミレス店の店長である近藤(大泉洋)、若いみずみずしさと萎み始めた中年の自覚が交差する、雨宿りと雨上がりの光と空模様が眩しく繊細な質感の作品。
 アニメ化もされており、そちらの質感の方がより情動的で魅力ですが、色々を吹き飛ばす小松奈々の魅力がある実写版の魅力もまた素敵です。

 導入の冒頭は最低。映画作りの基本値から低いし、劇中歌の滑り出しも微妙。疾走感を出したかったにせよ本作の情感には合っていないし、合わせるならそれなりの画面構成を考えるべきで、そこに謎のスターティングポーズやコーナリングもダサいし採用センスを疑う。
 それ以外は外したところはない。各所に笑いの要素もあるし、しみったれた中年を演じきって汚くなりすぎない大泉洋は嫌味がなくて好感度が高いし、本作の虚構性ばっちりの主演・小松菜奈のキャスティングが満点。

 ごみを見るような目を地で行く小松奈菜はまさに当たり役で、長身だが骨太な感じは陸上競技の印象も持ちながら、黒髪ロングやポニーテールの若さや爽やかさがはまっている。特に陸上の大会シーンの颯爽さは必見で、後輩選手演じる山本舞香の陸上競技を舐めた髪型、スタイルの悪さに比べて、一目瞭然の主役的な魅力が抜群。
 異なる人物とのデート場面は、待ち合わせ場所やデートプランが同じなのに、相手により主人公の服装や態度や表情が全く異なっており、抑えられた前半に比べて感情表現が豊かになり可愛らしさが爆発していく。これが少女に働く恋の力だと言われたらそうだし、題名を感じる良い場面だ。
「次どこ行きます?」
「次いつにします?」
「夏祭りとかありますよね、私浴衣着たいです」
「店長の行きたいところ行きたいです。わたし、店長のこともっと知りたいです」
 若い彼女にグイグイ来られる素敵な夢を素面で退けられる大人の近藤はデレデレすらしない。大泉洋のキャスティングも生きてくる。

大人の対応、友人の冷静な心配
絶妙な倫理観に支えられた17歳の恋

 「頭を下げるしかない人生が、情けない」とパート従業員の年配女性に言われてしまうし、もう一人の女子高生アルバイトには「店長は臭いから嫌だ」と言われるところに立ち会ってしまう近藤は、自分でも自身の現状について客観的に認識しており、徐々にあきらが好意を伝えてきてもその気持ちに対し自覚的にはなれず、常に冷静に大人の対応を繰り返す。
 「45歳、夢も希望も何もない、空っぽなんだよ」と自認する近藤に恋焦がれるあきらは、中学の時から有名な短距離走の選手だったが、ある日の雨宿りの場面に遭遇した近藤とのエピソードを大事にしており、いじらしくバイトに励む。
 若さが弾ける可愛らしさと、45歳の夢も希望も何もない冴えない中年の何にも成れなかった人生が交差する。十代側も今の精一杯、閉ざされたと思える未来と注ぎ込んできた時間は本物。今を懸命に生きている若さに対して、大人からしたら無限の可能性に思えるその狭さと脆さに思いを馳せることもでき、どの年代の人生にも寄り添う優しさと理性が本作の肝かなと思う。
 その優しさは、中年の自分に好意を寄せるあきらに対し接し方を崩さない近藤の人間性にも見えるし、あきらの陸上部の友人でしっかり者風の清野菜名が「ファミレスの店長?おじさんじゃん!だからバイトばかりしてるの?目を覚ましなよ!」とバッサリ言うさまにも見て取れる。

 心配からとはいえ無遠慮な前述の発言により、あきらとギクシャクしてしまう親友の清野菜名が、あきらからもらったガチャガチャのキーホルダーを6.7つ全部を鞄につけているところが可愛かったし、2人の浴衣シーンも可愛くて和む。女子高生同士の友情や憧れといったものを部活を通してそれとなく描けている青春性も気持ちが良いし、近くにこんな小松菜奈が居たら同性も勿論憧れるよねと同意しかありませんので、大事な時間を中年に恋してアルバイトに時間をつぎ込むなんて無駄だ、という意見はごもっとも。それは誠実にテーマ的でもあります。

 45歳は萎びた身体に染み入る瑞々しさで気力が蘇るが、理知性が確かなので17歳のあきらには触れない。羽根を休めたあきらは幼い憧れに捕まらずに飛び立ち成長していく。年齢差のある恋愛という古典的かつ虚構的なモチーフを扱いながらも、17歳の少女の自主性と、45歳の男性の自己認識を、誠実に描き、時代性を持って完結させたところに本作の品性と価値があり、それはやや長い原作を踏襲するように、切り取った映画作品も同様の体裁を保つ。

 

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