(2016)
監督・脚本:デミアン・チャゼル
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン他
👨🏼🦱「姉さんはなぜロマンチックを悪く言う?」
👩🏼🦱「お金がないことをロマンチックとは言わない」
👨🏼🦱「俺は好きで居るんだよ、ロープ際に」
ハリウッドにある映画スタジオでカフェ店員として働きながら女優になるためにオーディションに励むミア(エマ・ストーン)と、正統なジャズを愛するピアニストで自分の店を開く夢を持つセブ(ライアン・ゴズリング)が、2度出会い、2度キスを邪魔され、そしてその後が展開していく舞台はロサンゼルス。
オーディションを思い出しバイトを抜け出す、演技の練習により渋滞の中進まないでいたり、共感できないヒロインには最初魅力を感じないが、冒頭の渋滞の場面さえ舞台にし、気乗りしないパーティに連れ出される場面すら舞台にする、序盤を牽引する歌って踊るミュージカルの文化的には謎だが、その素晴らしさはやはり特筆すべきと思う。
創作物の中だからと言って全てがロマンスと虚構であるわけもなく、男は巨万の富もなければ、女は性格が良いわけでもない。
最初の出会い、運命の場面になるクリスマスも、男は自分の精神の失意から女を無視し、再会してもお互いの現状を張り合い、小言ばかり。雰囲気のある夜景とベンチを前にしても、ムードや恋の予感のなさを歌にして踊る。ひどく現代的で、ある意味無情なロマンスな感じがしないでもない、非常に上手いつくりになっていて、しかしその夜はキスもせず別れるし、女の方には他に男がいると分かる。
しかし一夜明ける前から、やはりドラマはロマンスへと流れ始める。
「やっぱ弁護士になればよかったかな」
「弁護士は足りてないもんな」
売れない女優と仕事のないピアニストが、映画撮影のスタジオを歩く姿の哀愁。そこには音楽を乗せないでさらりと歩くところも良い。様々を軽く通り過ぎる。では重く厚くなるところはどこか?
例えば本作にはジャズを愛する男の熱さがある。
「死にかけてる、瀕死なんだ。世間は死なせればいい、潮時だって。
そんなの冗談じゃない。(自分の店を持つ)
自分の好きな曲を好きなように。それが純粋なジャズであるなら」
「伝統にこだわっていたら革命は起こせない。
ジャズは未来の音楽だ。お前の方が腕はいい、でも面倒くさくて付き合いづらい」
そして彼の情熱を尊重してあげたい女の思いやりやワガママがある。
「あなたはあの音楽が好き?」
「どうかな、それってそんなに重要なこと?」
女が自分に定職を望んでいること、そんな電話を誰かとしていたこと、天井の雨漏りによるシミも気になる。彼は昔の友人がくれた音楽の仕事を引き受けることにした。CDを出してはツアー、またCDを出してツアー。
「自分には無理だった人を喜ばせる仕事が、やっと出来てる」
「いつから人がどう思うかなんて気にするようになったの?」
「君は甘すぎるんだよ、おれたちは大人になるときが来た」
喜ばせている人数、譲れないこと、稼げるお金、自分の幸せ。夢と理想、生活と収入、恋と会話、愛と喧騒。現実を選んだセブに対し感情的になるミア、言い合いになる二人。
あの日からのやり直し。
あったかもしれない未来を超えた、こうであったら素敵だった、の粋を最高潮にして駆け抜ける。
虚構創作によるあまりに儚く無謀で夢のような二人の幸せが、華やかな威力を持つからこそ悲しく、寂しく、恋しく、取り返しがつかない、現実に被せる虚構的妄想。
「どうか乾杯を 厄介な私たちに」
ピークからラストへの締めが瞬間的で、その余韻が確実に鑑賞者の胸に響いた時の、素晴らしい音楽の中で終わる完成度は物凄い。
人生や夢や生活について恋人や愛する人と折り合いがつかないときは、落ち着いて素直になれなければすれ違ってしまい、手に入らなくなることの儚さを考えてしまう、そんな映画だ。
いくらでも話し合いもやり直しも出来た、しかししなかった、それが現実の全てになるのだ。
しかし虚構創作としては素晴らしい勢いと完成度、狂おしいほどの現実と男女を閉じ込めてある。
ミュージカルは意味がわからない、ジャズは好き。その程度の私にも魅力がわかる、
あらゆる舞台芸術や音楽やロマンスへの憧憬と熱狂、そして現実。
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