文芸 ピンチョンの否定性とパワーズの再構築『重力の虹』 物語の未来への異なる答え、世界を知りえない時代の語りの戦略。終末的世界観と希望的連環、陰謀と憧憬、ポストモダンが破壊した語りをどう再生するのか、小説に世界を変える力はあるか?ポストモダンの金字塔とポストポストモダン的作家の作品を読み比べなが... 2025.06.27 文芸海外作品
働く読書習慣 孤独なエンジン~運と才能で勝手に好転して欲しい~ できれば世界に勝手に好転してほしい。 でもなぜか世界は勝手に変化してくれない。 努力したくない、失敗したくない、幸運と才能で成功したい、という心理は、人間の根源的な自己保存・快楽追求・不安回避の欲求に根ざしている。 消費者構造は思考する余... 2025.06.19 働く読書習慣
働く読書習慣 思考停止の快楽「人間性の放棄と回復」〜皆消費者社会における希望とは?〜 受動的にて「考えなくていい」ことに甘えて脳を無思考に浸せる時間の愛おしさは、日々のストレスから解放する現代的な怠惰ともいえる。資格勉強をしなくちゃいけない、読書がしたい、なのにふとスマホに手が伸びてSNSチェックをして、スクロールを繰り返す... 2025.06.11 働く読書習慣
文芸 植物小説と気候文学の違いと虚構創作の完成度『菜食主義者』と『オーバーストーリー』リチャード・パワーズ② 十年ぶりのリチャード・パワーズとして前回『囚人のジレンマ』を読んだが、個人的に趣味絵はないポストモダンについて考えたり、パワーズの作家性に不安になったりしながら、今回は二冊目。 私の杞憂をあっさり覆しながら、主題や志向性が文学性にとっていか... 2025.06.04 文芸海外作品