G-40MCWJEVZR 出会い、別れ、続いて、閉じていくこの人生の果て『オットーという男』A Man Called Otto (2022) Review: Meaning, Themes, and Emotional Impact - おひさまの図書館 つまらない・原作・幸せなひとりぼっち・映画・トム・ハンクス
スポンサーリンク
スポンサーリンク

【映画】出会い、別れ、続いて、閉じていくこの人生の果て『オットーという男』A Man Called Otto (2022) Review: Meaning, Themes, and Emotional Impact/80点

映画ピックアップ

A Man Called Otto(2022)

English
 This article reviews A Man Called Otto (2022), a quiet yet deeply emotional film about love, loss, and the small human connections that give meaning to life.
 While the story appears simple and uneventful, it gradually reveals the past of a lonely man who has lost his wife and is struggling with grief. Through interactions with his neighbors-especially the lively Marisol-his life begins to change.
 The film does not rely on dramatic events, but instead builds its emotional power through everyday moments, subtle performances, and unspoken feelings. Tom Hanks delivers a restrained yet powerful performance that transforms Otto into a character both difficult and deeply lovable.
 Ultimately, the film reflects on how life is a cycle of gaining and losing, and how even the most ordinary days are filled with the potential for love, connection, and meaning.
 本記事は『オットーという男』(2022年)について、愛・喪失・人との小さなつながりを描いた静かで感情的な作品としてレビューしている。
 物語自体はシンプルで大きな事件は起きないが、妻を失い孤独に生きる男の過去が徐々に明らかになっていく。特に陽気な隣人マリソルとの関係を通じて、彼の人生は変化していく。
 本作は派手な展開ではなく、日常の積み重ねや抑制された演技、語られない感情によって感動を生み出す。トム・ハンクスは不器用でありながら愛すべき人物像を見事に演じている。
 最終的にこの映画は、「人生は得ては失う繰り返しであること」、そして「何気ない日常にも愛と意味が宿ること」を静かに描き出している。


 日々の中で煩わしく思い、失って悲しんでも戻っては来ない、そんなことの繰り返しの人生であることを、いつも私たちは忘れてしまう。
 平凡だが胸にしみる、派手な出来事は起きないがトムハンクスと周辺人々が良い働きをする。
 不思議な映画で、ラストは物凄く胸に来ました。

 原作は世界的にヒットしたスウェーデン小説「幸せなひとりぼっち」

**Support with a like↓🌞**

ブログランキング・にほんブログ村へ

隣に寝ている人探す手、それは幸せを探す手

「あなたは世界一のパパになる」
 朝起きて隣に寝ている妻を探す手、それは幸せを探す手。
 何をしても許してくれる、何をしてでも守りたくなる、そんな相手を得るということ、それを失うということ。言葉で語らないオットーの代わりに、画面に語らせる動作や記憶の情景は、あまりにも多くの愛しさと寂しさを滲ませ、語らない老人に寂しくまとわせていく孤独と、かつての愛しさが深い。

 観始めて少し経つまで、主人公を演じるのがトム・ハンクスだと気づくまで時間がかかる。不機嫌そうな顔、偏屈で、ホームセンターのアルバイト従業員を困らせるような難癖や屁理屈を繰り返す姿は、およそトム・ハンクスらしいような明るさや明るさではない。
 作りがシンプルで情感は抑え目、特別なことは起こらないが、主役と主題の静かな魅力が引っ張り特別な気持ちをくれる作品。そしてそんな静かな主人公の日常に突如現れる騒がしさがやがて新しい愛しさに変わる展開を描いたヒューマンドラマ。やはりそういう作品をやらせたらトム・ハンクスの魅力は凄い、何とも言えない味わいはエンタメではないが確かに映画の魅力を教えてくれる。
 本作はハリウッドによるリメイク作品で、原作は小説でスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』(2015)。監督は『プーと大人になった僕』(2018)のマーク・フォースター。

 ペンシルベニア州に住むオットー・アンダーソン(トム・ハンクス)は近所でも有名な偏屈爺さん。ホームセンターでロープの売り方がフィートかヤードかにこだわりを見せてレジで渋滞を起こし、帰宅後何を準備中かと思いきやフックを天井に打ち込み、輪を作ったロープをつるし、その中に頭を入れる。何の悲壮感もなく、計画の延長線上にあった首吊り自殺を淡々と実行しようしていたらが、何やら外が騒がしく、駐車できずに騒いでいる夫婦に邪魔されて断念。オットーの悲壮感と静かな毎日に、妻マリソルと夫トミー、そして二人の娘の四人家族が向かいの家に越してきた。マリソルはオットーの生活に頻繁に顔を出して、駐車や工具を貸してくれたお礼にと得意のメキシコ料理や手作りクッキーをくれたり、陽気で人との距離が近く、お隣さんのオットーとも当たり前のように親しくしようとする。

 半年前に亡くした妻ソーニャの後追い自殺する気満々のオットーは、すでにガスや電気や電話の解約を済ませており、隣人たちが家屋に足を踏み入れて電気や暖房が使えないことに触れても、その真意をそれとなく隠す。けれども毎日の睡眠の際に、オットーは薄れる意識やまどろみの中で常に在りし日の妻を思い浮かべ、鑑賞者には徐々に彼の半生が浮かび上がる。妻への愛しさ、失ってしまった家族、今とは異なるかつての彼、そして現在の彼。
 オットーは何度かいくつかの方法で自殺を試みるのだが、そのたびにマリソルが騒ぎながらやってきては中断される。マリソルの車の運転の教官になってほしいだとか、第三子が生まれる前に夫婦で最後の食事がしたいから娘二人を見ていてほしいとか、マリソルの助手席に乗せられ教官を務めさせられるが動揺して運転がままならないマリソルの車に後方車がクラクションを浴びせかけると、飛び出していってマリソルを悪く言う相手を怒鳴り、彼女を庇い、運転への勇気を励ます。
 偏屈で面倒者のような前評判とは異なる、熱く思いやりに溢れた人間性を見せるオットー。
 首吊りが成功した場合に汚れを抑えるために敷いた新聞広告に見つけたセールの花束を買って、ソーニャのお墓に備えながら持ってきた椅子に座り語りかける時間も大切にしているし、マリソルの2人の娘に絵本をせがまれれば抑揚をつけて読んであげたりと、オットーの人間性の豊かさはすぐにわかる。
本作のモチーフとしているような近所で有名な偏屈爺さんは、本来もっと癖が強いはずだが、そこはトム・ハンクス、嫌味や不快感は弱く、例えばこれを日本版でリメイクしたらもっと嫌な人物造形が当てられるのかなと思うし、そこのギャップを無意味に描こうとして酌を割いて、結果上手く描けないはず、けれどトム・ハンクスは抑えた演技と脚本の中でも自然と見せてしまい、それが愛おしくも好ましい不思議があり、この作品はそうした俳優の魅力に溢れている。
 しかし彼の出演作らしいハートウォーミングな作品群に沿うが、甘々になり過ぎないのは本作の深い悲しみが理由になる。

煩わしいご近所づきあい、邪魔をされる自分の時間

 正直、途中、中弛みを感じる。
 隣の家の夫婦は家族ぐるみの付き合いだったが今は中断された理由や、どうでもいいご近所付き合いが徐々に顔ぶれを増やして展開していくのが理由だ。けれども現実にはそうした関わりにより生まれる責任感や助け合いの場面になりえる近所付き合いや、そこにある人と人との繋がりの煩わしさに生まれる愛しさを描く。特に1番うるさく陽気なマリソルは、ことあるごとにオットーに図々しいのだが、ギブ&テイクも心得ているし、言動の節々に純粋な可愛らしさが浮かび、人と人との交流の温かさや助け合いの側面も感じさせるその態度にオットーも次第に好感を抱く説得力には十分だ。
 いつしかオットーは彼女にはぽつぽつと過去を語る。二人だけが知るオットーの過去と気持ちを知った上で、彼が家屋の二階に放置していたゆりかごを彼女の生まれてきた息子にあげるシーンは非常に温かい。

 深い悲しみと、始まっていく未来の陸続きには、なんでもない毎日しかない。
 しかし、その毎日に包まれて暮らした道のりの最後があっけなく訪れても、残された者は非常に悲しい。親愛な贈り物と言葉と気持ちを他者に残し、やっと並んで一緒になれたのかと思えば幸せにも思える。子供たちの人形と花と気持ち、そしてイラスト。なんてダメ押し、最後までゆっくりしっかり押していき、完全なラスト。
 目立った出来事は起こらない。しかしここまで深い悲しみと愛しさを作り出し、胸を掴んで離さない映画を作ってしまう、素晴らしいことだ。
 静かな幸せ、静かな悲しみ、人生の終わり、そんな出来事からの始まり。

出会い、別れ、続いて、閉じていくこの人生の果て

 人生を変えてくれるような愛しい人との出会いに恵まれても、それはいつしか別れや悲しみになりもするこの生涯は、得ては失っての繰り返しで進む。毎日の生活には愛しさの可能性に溢れ、新たな出会いはそれらを再度増やし、そして自分もまた彼らの人生に愛しさと悲しみの別れと出会いを植え付ける。そうして繰り返される人生と命の交流や遭遇について考え、そこに何を感じるかが本作の魅力とテーマになるだろう。
 語り過ぎない、プロット展開や画面作りに派手さはない。けれども一人の男性が生きて湧いた感情と、彼が周囲に与えて残していくもの、それを誠実に描いた脚本と演じた男の静かな価値がそこにある。男の寂しい人生を、幸福や陽気で彩り温めてくれた女性との出会いと別れに、それぞれの意味と価値を持たせた、人生や映画、愛しい誰かへの気持ちが静かに詰まった作品。
 思い出す相手がいるかどうか、煩わしい交流に愛を見出せるかどうかで本作への評価は変わるかもしれないが、そうした冷めた視点を持つオットーを温めたように、静かにゆっくりと鑑賞者の気持ちも温めてくれる二時間。
 不機嫌そうな男が佇立しているだけのパッケージに目を引くところはないが、そうした不器用な男性の生き方、己の幸福と悲しみの表現の下手さ、アピールの下手さがすでに愛おしい。

 得ては失ってきた男性の壮年期、というテーマモチーフでは佐藤亜紀の『黄金列車』も近いか。
 主演トム・ハンクスの映画『ターミナル』『ものすごくうるさくて~』原作者の他の小説も読んでみました『おばあちゃんのごめんねリスト』

得て失った中年男性の人生の悲哀『黄金列車』佐藤亜紀
佐藤亜紀さんは私にとってだいぶ特別な作家さんなので、今回はだいぶ長いです。今月頭に読売文学賞を受賞された最新作「喜べ、幸いなる魂よ」(2022)が先月1/23に文庫化と知り、ポチりました!
【映画】空港に閉じ込められた男の9か月「ターミナル」65点
監督:スティーブン・スピルバーグ 主演:トム・ハンクス 出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ他
【映画/原作】残された息子の悲しみ、9.11の後の心と文化『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 洋画 1000311675posted with カエレバ楽天市場Amazon  原作小説の題名は聞いたことあったが未読。 2001年の9.11世界同時多発テロ、貿易センタービルで出来事をモチーフに...

おひさまのランキング登山、こつこつ
登頂まで応援よろしくお願いします🌞
↓1日1クリックまで🙇‍♀️🌞

ブログランキング・にほんブログ村へ 映画ランキング
映画ランキング

Amazon配送無料+映画サブスク込みで600円、大変便利で手放せない(太陽)
→→本作も今ならprimevideoで鑑賞可能
・以下のリンクから登録
・無料期間中に解約OK
 (登録と解約で一か月無料)
→→30日以内にAmazonで
  2000円以上お買い物をして頂ければ
  互いに1000円分のポイント貰えます

Amazonサインイン
ぜひシェア!

コメント

タイトルとURLをコピーしました