『あと1センチの恋』
(原題: Love, Rosie)(2014年)
おすすめされなければ自分では絶対に観ない系の恋愛映画、物凄く面白かった。こんな作品を知っているセンスと人生が羨ましい。そして私も今日からその仲間入りだ。
なんてティーンで、なんてもどかしく、なんて可愛らしくも取り返しのつかない気持ちの探り合い、そして軽率と不器用。
こういう恋愛をしたことがある人も多いだろうし、そういう人は序盤から胸を掴まれる。
本作はなんてことのない二人の男女の恋愛で2時間が形成されているので、メッセージ性とか社会性があるわけではない。でも二人のすれ違いのやるせなさや、そうなるであろう心理の細やかさまで表現され、しかも二人ともとびきりの美女とハンサムなので、2時間たっぷり見て居られて幸せだし、随所で奏でられる音楽が小気味よく、目にも耳にも心にも物凄く心地よく観られるように作られている。
最初は18歳の誕生日、記憶が無くなるまで飲んだあの日に覚えがあれば、生まれなかったすれ違いと単純明快な純愛が、2時間の恋愛映画になると、こんなにも類まれに愛おしい。
ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳の時からの親友だったし、ロージーの18歳の誕生日の夜、テキーラを何杯も飲み朦朧とする中でキスをした直後卒倒したロージーは翌日記憶がなく、その日の朝から少しずつ二人のもどかしいすれ違いが始まる。
ハイスクールの卒業パーティに、ロージーは人気者のグレッグに、アレックスは金髪でセクシーなベサニーに、それぞれ誘いを受ける。それを打ち明け合った浜辺でも二人はすれ違うし、自分の童貞コンプレックスに平然とアドバイスするロージーに対しアレックスはべサニーを誘うと宣言し、その後アレックスは彼女で卒業したとロージーに告げる。卒業パーティーの夜、ロージーはグレッグと一夜を共にするが、まさかのグレッグは童貞で避妊具すらまともに扱えず、避妊に失敗して大騒ぎし、事後ロージーは病院に行く。
二人は高校卒業後、アレックスはハーバード大学医学部に、ロージーはボストン大学への進学を約束する。ロージーの夢は大学でホテル経営を学び自分のホテルを持つことだったが、妊娠してしまい、セクシーな彼女もいて大学生活に胸を膨らませるアレックスに打ち明けられず、何も言わずにイギリスに残る。
主演のリリー・コリンズがひたすら可愛く、振り返ってみると全編が彼女のプロモーション・ビデオのようだから、ファンにはたまらないし、この作品で彼女の虜になる人も多かろうと思う、私はなった、それほどにこのヒロインは可愛い。
夫の不倫が分かり離婚のため荷物を豪快に捨てているシーンで流れる『Fuck You』という曲は、状況の悲壮感も言葉の過激さのかけらもないあまりにポップな歌い方で、この場面をコミカルに彩っており、このヒロインの魅力を存分に引き出している。
ホテルの客室清掃をしてるクラシカルな服装、受付従業員にランクアップしてからのタイトな服装、ラフな服装のまま海岸で娘と側転をする姿、最愛の相手の結婚式で名スピーチをする時のヘアメイクやファッション、どれをとっても全編に渡って可愛いので必見だ。
「ママが怒るわ」
「行かなければパパが怒る。お前が選べ」
高慢と偏見が思われてクスッとくるようなロージーと父親との場面があるのだが、他にも本作には、恋する二人が互いを思う印象的な台詞が多く登場する。
「あの子を見てると、あなたを思い出すの。あの子を愛しているからだと思う。」
「あなたがどこにいて、何をしていても、私の気持ちは変わらないわ。
今までも、これから先もずっと、私はあなたのことを、正直に心から愛してる。」
「君は心臓が動き続ける限り、君に愛情を注いでくれる人に愛されるべきだ。」
「君を手放したのは、怖かったからなんだ。
今なら君を幸せにできる。電話して。」
「彼は大きな傷を負い、心の穴を埋めるために別の子を探し求める。そして結婚してから自分に言い聞かせるんだ。彼女は完璧だと。幸せな結婚生活だ。でも穴は埋まらない。」
これほど熱烈な言葉を送っても、タイミングが悪くては相手に届かず成就しないのだから、人生の全てはタイミングだ、と本作は言っているように思う。
ずっと思っていた相手が自分を好きではなかった感じがした、他の子をパーティに誘った、違う女で童貞を卒業した。最初はそのような大人からすればどうとでもないことでも大きなショックを受け、徐々に年齢を上げるにつれて、相手は妊娠して子供までいたし、結婚してしまうし、二度目の結婚をするし、離婚するし、互いに衝撃を与えあう。
常に、なんて若さだ、幼さだ、と思う。傷つきやすく、軽薄で、臆病で、怖がり。
本作は恋愛映画だし、とてもよくできているので、特に細かなことを言いたい部分はない。
リリー・コリンズがこれだけ魅力的な作品と役柄に恵まれたことは女優として幸運だと思うし、
そんな彼女にも負けないだけの魅力を持った相手役のサム・クラフリン良い。
ただの恋愛映画が退屈させない2時間を作るにはある程度のコンセプトと相当の技術が必要であり、ティーンの恋愛モチーフを発端にしながらも大人の鑑賞に耐えうる完成度で仕上げてあることも高評価だ。制作費のかかるエンタメ要素もないような純粋な恋愛作品が2014年に公開された。これは結構すごいことだと思う。
邦題だけ微妙か。テーマとしては分かるのだが魅力はない。
原題の「Love, Rosie」のがよっぽど可愛いし真に迫っている。
これは彼女の為の映画だし、彼女のような女性にも、彼のように恋したことのある男性にも、したことない男性にも贈ることが出来る、何としてでも想いを伝えなければ何も始まらないと思わせてくれる、原動力を持った、いい映画だ。
賛否両論あるとのことでしたが「それでも自分は好きで。」と教えて下さった気持ちが、今はとても凄く嬉しいし、人に勧められた作品を鑑賞した時に満足度がリンクする幸せがこんな感じだとは知らなかった。その意味でも良い経験でした。非常におすすめ。
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