G-40MCWJEVZR 【批評】面白い所を探して観よう「天気の子」30点 - おひさまの図書館 あらすじ・つまらない
スポンサーリンク
スポンサーリンク

【映画】面白い所を探して観よう「天気の子」30点

【映画倉庫】

(2019)
 びっくりするくらいつまらなかった。
 基本的に本作は、設定集めは悪くないのにドラマ作りとその進展による経過の見せ方が悪いので、あらゆる落着に持っていきどんなテーマを提示しようとも、感動と納得の深度が浅いものになりがちだろうと思う。
 監督の大ヒットの前作から製作期間は3年、製作費も権限もそれなりであったと思うし、プレッシャーも相当だっただろうことを思う。しかしその緊張感の中でこれにGoサインを誰が出しちゃったんだろう、映画はみんなで作るから最低限の質が確保され、最大限の魅力が目指せるものなのではないか?とも思う。
 そこから語れば前作は、監督の魅力を最大限に活用できたチーム戦だったのではないかと思う。その個性や魅力のバランスをいかに生かしたのかが分かり、本作にもそうした個性は感じられるが、その活かし方が本当に下手。

 三年続く雨、水没する地域は震災を思わせるが、その中でも続く生活により伸びる事業や、変化に則して生きる日常は楽しみに戻るし、何事の上でも日常は進んでいくし、どんな被害すら日常が進むたびに、乗り超えて受け入れていける、という前提と肯定のテーマは建設的。
 世界よりも一人の女の子の方が大切だ、というのはフィクション主人公としては珍しいけれど、それを肯定してしまえるだけの自分たちの恋愛や自我は大事なのだ、という青さも別に悪くない。
 けれどそれを選択する主人公たちに共感し、応援できるかという部分が欠けていて勿体ない。
 警察に追われてもいいし、反社会的扱いをされた子たちでも構わないけれど、その為の説明付けや動機づけが微妙で、ろくに経緯の事情を語らない家出少年が、ある少女と関わるうちに簡単に恋心を抱いたから守り抜くと言われてもなんの共感も出来ず、そのメロドラマは結構しんどい。それが主眼になって展開し、それを主題に落着するので、ずっとしんどい。
 ここに共感も興味もないので、2人が選んだ答えから思うテーマがちっぽけ過ぎて、全体がどうでもいい作り話にしか思えない。

 基本的に監督の作家性は、大人以下の男女の恋愛と非日常的な規模の天候や宇宙的な出来事を組み合わせる虚構性性で甘ったるさと広大さのフィクションを作るのが好きなのだと思うし、それは「君の名は。」「秒速5センチメートル」そして本作、の三作しか観ていないのだが全て類似しているので間違いなく、そうした作風や個性を使うのは悪くはないのだが、
 程度を叩き出した後だと、どうしても同じ素材を扱えば、明確な比較対象が存在してしまう。
 興味の素材や主題を変えても勝負し、売れ続ける作家性は強いし、同様の興味や素材で勝負し続ける作家性がいても問題はないが、あとは程度勝負になることだけ肝に銘じる必要がある。

 本作がまずいのは素材選びにもあって、監督作品の魅力には透き通りながらもキラキラ輝くような映像美があると思うが、本作の多くの場面は曇りや雨の天候が選ばれており、舞台は東京や歌舞伎町のネオン街だったりするので、くすんだ空模様の空気感は映像美の魅力に反していて映像映えはお世辞にもしておらず、見せ場である解放の部分でさえもなんだか微妙な仕上がりになっていて、本当になんて言っていいかわからなかった。
 実際の地域や建物をモチーフに使う部分は、自分たちの暮らす現実が虚構的に美麗に描かれる魅力を教えてくれるし、田舎の風景をものにしてきた監督だと思うが、都会をカットや映像に収めることでの本領の発揮には至っていないように思う。
 ピーク部分の音量は相変わらず問題だけど、歌手も音響も良い仕事をしたと思う。
 「君の名は。」は、もう少し画面作りが美麗だったように思うし、映像と音楽の効果も強かったと思うし、そのようにして比較されるのが分かりながらも、それでも作り出したのがこれかあ、という感想しか出ず。

 企画段階から明らかに前作を超えられないと気づいた時に、何らかの策を講じるべきだったのではないか、と思う。
 知名度を上げた監督なら2作目も売れる、その価値が試されるのは3作目。
 次はもう客を呼べないだろうし、下がり続ける期待値に対し、何が出来るのか。
 (何も調べずに書いたので、次回作が私も名前を聞いたことがある「すずめの戸締り」だと知らず、たぶん興行的に一定以上成功していると思うので、下調べを一切していないことが丸裸になり恥ずかしい。いつか観ます)
 こう考えるとやはり宮崎駿は別格だし、細田守さんは毎回品を変えて、興味や主題が移り変わっていたように思うし、大抵そのように作家性も人生と共に進展していくはずで、そう変化しないのであれば向上が然るべきこと、その難度を本人や商品性を思う周囲が自覚していないはずもないと思うのだが。

【映画】人生初スパイ、老人ホームに潜入捜査「83歳のやさしいスパイ」60点
(2020) チリ・アメリカ・ドイツ・オランダ・スペインの合同によるドキュメンタリー作品  高齢男性のみの求人に応募する主人公は、並み居る応募者たちも臨む面接を勝ち抜き、採用される。 老人ホームに入れた自分の母親が施設で虐待されているようだ...

おひさまのランキング登山、こつこつ
登頂まで応援よろしくお願いします🌞
⬇️1日1クリックまで🙇‍♀️🌞

ブログランキング・にほんブログ村へ 映画ランキング
映画ランキング

良い映画レビュー読んだな、と思えたら、
「何か買うものなかったかな」とAmazon散歩もしてもらえると喜びます🌞
無駄使いはしないけど、価値にはしっかりお金と時間を使いましょう🌞

Amazon配送無料+映画サブスク込みで600円、大変便利、もう手放せません🌞
→→本作も今ならprimevideoで観られます
・以下のリンクから登録
・無料期間中に解約OK
 (登録と解約で一か月無料)
→→30日以内にAmazonで
  2000円以上のお買い物をして頂ければ
  互いに1000円分のポイント貰えます

Amazonサインイン

【映画倉庫】カテゴリーから一覧見られます🌞
 観たことある作品も、ない作品も、一緒に楽しみましょう

映画倉庫
「映画倉庫」の記事一覧です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました