(2020)
チリ・アメリカ・ドイツ・オランダ・スペインの合同によるドキュメンタリー作品
高齢男性のみの求人に応募する主人公は、並み居る応募者たちも臨む面接を勝ち抜き、採用される。
老人ホームに入れた自分の母親が施設で虐待されているようだし盗みにも遭っている、と心配した依頼が私立探偵のもとに入ったため、潜入調査ができる老人を探しているという。
83歳の主人公はその任務を果たすべく、不慣れなスマホを持たされ、報告業務やスパイ業務を1から教えてもらいながら奮闘していく。紳士的な態度で入居者に接し、すぐに人気者になる主人公は、恋をされたり、親切な良き相談相手に選ばれたりして、その内部での人間関係も面白く観られる。
最初、写真で見せられたターゲット女性を多くの老婆の中で見分けがつかず、4人から絞れない所から面白い。誕生日や季節のイベントなどでパーティが催され、仮装させられている男性陣面白いし、女性は40人いるが男性は4人しかいないとか、さらりと平均寿命の男女差を思わせたりもする。
主人公もスマホやペン型や眼鏡型のカメラの扱いに悪戦苦闘したり、胸ポケットに入れているペン型のカメラを老婆が何の考えもなしに奪おうとするとかはリアルだし、施設従業員もスパイが潜り込んで調査しているなどとは思わない為、老人はスパイに最適で、老人がその辺の通路で立ちどまってたどたどしく何かしていて不審がられるということもない。
ホームの老人は孤独、家族が心配なら自分で会いに来るべき、自分ももう家族に会いたい。
入居者と従業員だけの隔離された内側で持ち上がった問題は目に見えないけれど、見るために依頼主が払った労力はどれだけで、母親を悲しませて必要な愛情を与えてあぐげられていないのは誰なのか。
報告業務の豊かさには驚かされるとともに、きちんとテーマ性を盛り込んでおり、普遍的にうまくまとめられている。
鑑賞後に調べてから本作がドキュメンタリーと知る。
潜入先の老人ホームの老人たちが知らないのか、雇用された主人公スパイも知らないのか、依頼主からして本当に依頼したのか、どこからどこまでがドキュメンタリーなのかわからず、けれどそれでも良い気がした。茶目っ気もあれば虚構的な魅力も自然とあって、作り物のようでいてのんびりとしながらも現実的だし、老人の世界の時の流れの緩慢さは心地良くも、加齢後の生活や人生を思わせ、悲しくもほのぼのした。
(最後に画像を探していて、アカデミー賞ノミネートと知り、まじか、と思いました😳)
図らずも、二作続けてドキュメンタリー映画を鑑賞し、虚構創作が好きな自分としては新境地を得た気がしました。パッケージの作り方や題名、映像の作り方や盛り上がりの見せ方など、ドキュメンタリーの定義と創作性の介入や解除の仕方など、まじめであればあるほど体現が難しい製作品であるのかなと。
創作現場とドキュメンタリー、考えていきたいテーマです。
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