文芸 大勝利受賞作『しろがねの葉』はデビュー作『魚神』の完全昇華 千早茜①直木賞はつまらない作品にあげるものなのか? 直木賞はその作家のつまらない作品にあげるものなのか?のテーマ企画に、真っ向から反論する2022年の受賞作『しろがねの葉』。処女作からの作品的昇華、作風的な大成功を目の当たりにして成長性に驚いた。作家はこんなにも良くなる!を目の当たりにしてく... 2025.04.12 文芸現代国内直木賞企画
文芸 『坂の上の雲』が立ちはだかる、明治時代の創作的難易度『家康、江戸を建てる』『東京、はじまる』直木賞はその作家のつまらない作品にあげるものなのか?門井慶喜② 直木賞はその作家のつまらない作品にあげるものなのか?企画第三弾ですが、前回同著者の受賞作『銀河鉄道の父』が割と面白く、ハズレとは言えなかったために企画の仮説が早くも倒れそうです。しかし、初読書だったので、受賞作は実はこの作家の中ではハズレレ... 2025.04.04 文芸現代国内直木賞企画
文芸 親ガチャと勝つまで賭ける息子投資『銀河鉄道の父』直木賞はその作家のつまらない作品にあげるものなのか?門井慶喜の場合① 直木賞はおそらく作家単位に与える賞なので、必ずしも受賞作が面白いわけではない。それどころかつまらない気がする私は、歴代受賞作家の著作列の中から受賞作以上に面白い作品を探し出して作家の真価を探る企画、第二回。 (発端は前回の窪美澄↓ 古く... 2025.03.28 文芸現代国内直木賞企画
文芸 直木賞はその作家のつまらない作品にあげるものなのか?①歴代受賞作を読んでみよう、の巻、はじまるよ〜『ふがいない僕は空を見た』の窪美澄の場合 エドヴィージ・ダンティカで助産師モチーフが不発だったので、主人公の母親が助産院を開業している『ふがいない僕は空を見た』(2010)を思い出し、検索すると著者が直木賞作家になっていたので受賞作を読んだ。びっくりするくらいつまらなかったので、選... 2025.03.21 文芸現代国内直木賞企画
文芸 現代においても小説家の才能は文学より軽いのか?『骨狩りのとき』エドヴィージ・ダンティカ 歴史の勝者が書き上げてきたものの裏側にある本質や私的な物語による祈りというモチーフを文学は好きだ。 個人的に「トルヒーヨ時代のドミニカ共和国におけるハイチ移民労働者の掃除的虐殺」「骨狩りというタイトル」などの外側の予備知識やイメージから本作... 2025.03.14 文芸海外作品
偏愛評価 18世紀パリの金融おとぎ話に感じる凄味『金の仔牛』佐藤亜紀 2025年最初の佐藤亜紀作品は18世紀初頭のパリを舞台に、三大金融バブルとも数えられるミシシッピ事件(1720年フランスのパリで起ったアメリカ植民会社にまつわる金融投機破綻)を題材に、可愛らしく分かり易い童話的なキャラクター人形劇とそのト書... 2025.03.06 偏愛評価文芸
文芸 文芸への信頼と彼の文学が目指すもの『ラ・カテドラルでの対話』マリオ・バルガス・リョサ めちゃくちゃ面白かった。しょっぱなから2025年の個人的ベストなのではと思うくらいの衝撃。 それもそのはず、「ラテンアメリカ文学を旅する58章」などで再三言及されている著者であり、私も以前から好きな作家、バルガス・リョサの長編第3作目、 た... 2025.02.27 文芸海外作品