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文芸作品

現代においても小説家の才能は文学より軽いのか?『骨狩りのとき』エドヴィージ・ダンティカ

歴史の勝者が書き上げてきたものの裏側にある本質や私的な物語による祈りというモチーフを文学は好きだ。 個人的に「トルヒーヨ時代のドミニカ共和国におけるハイチ移民労働者の掃除的虐殺」「骨狩りというタイトル」などの外側の予備知識やイメージから本作...
偏愛評価

18世紀パリの金融おとぎ話に感じる凄味『金の仔牛』佐藤亜紀

2025年最初の佐藤亜紀作品は18世紀初頭のパリを舞台に、三大金融バブルとも数えられるミシシッピ事件(1720年フランスのパリで起ったアメリカ植民会社にまつわる金融投機破綻)を題材に、可愛らしく分かり易い童話的なキャラクター人形劇とそのト書...
文芸作品

文芸への信頼と彼の文学が目指すもの『ラ・カテドラルでの対話』マリオ・バルガス・リョサ

めちゃくちゃ面白かった。しょっぱなから2025年の個人的ベストなのではと思うくらいの衝撃。 それもそのはず、「ラテンアメリカ文学を旅する58章」などで再三言及されている著者であり、私も以前から好きな作家、バルガス・リョサの長編第3作目、 た...
まとめ

社会人が読書生活をリスタート(2024)

読書ブログ開設から1周年! 設置してある人気ランキングは1年で更新されるので、周年のタイミングで1年間で書いた90記事中、閲覧人気上位50記事を振り返ります。 この記事を読めば私が1年間で触れてきた小説と映画の良いとこ取りができます。  2...
文芸作品

日常に被せるフィクション『魔女たちは眠りを守る』村山早紀

期待せずに読み始めて、結構面白かった。 私は作中に登場するような典型的な読書趣味の学生時代を歩んだわけではなかったので、逆に言えばその物小ささみたいなものには複雑で、具体性がないことや商業性がないことなどが気に入らないし複雑なのだけれど、そ...
文芸以外

【図書】100人の作家で知るラテンアメリカ文学ガイドブック  勉誠出版・寺尾隆吉

ラテンアメリカ文学への手引き、二冊目。 前回の「ラテンアメリカ文学を旅する58章」が地政学的な情報量を含めた語りだったのと、多様や筆者による群像的な塊であったのに対し、本書は単独筆者によるフィクション批評であり、馴染みがある系統の為にするす...
文芸作品

【映画/原作】9.11の後の心と文化、人生と虚構『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 洋画 1000311675posted with カエレバ楽天市場Amazon  原作小説の題名は聞いたことあったが未読。 2001年の9.11世界同時多発テロ、貿易センタービルで出来事をモチーフに...