G-40MCWJEVZR 現代国内 - おひさまの図書館 - Page 4

現代国内

文芸

未知の楽園と運命のロジック『喜べ、幸いなる魂よ』佐藤亜紀

存外ファムファタールものは戯曲性が高いから、創作ではよく愛されてきた。 運命の女に翻弄される男の物語。まずモチーフとして魅力的なヒロインが生まれる、そんな女に振り回される男の人生はそれだけで波乱に満ちたストーリープロットになる。つまり物凄く...
文芸

恋愛しか頭にない図書館司書さんたちの『海の見える街』畑野智美

海辺の街にある図書館や児童館で働く4人の男女が囚われた、思春期の苦さや社会人の狭さに、ジブリもカレーパンもナポリタンもウサギもロリータも投げ込んで、不慣れな恋愛小説書いてみました!小説家3年生😊
文芸

「神さまを待っている」畑野智美

派遣社員から失業保険期間のハローワーク通い、漫画喫茶に寝泊まりして軽度のパパ活を始めて日雇い労働には戻れず、なんとなく面接に行けず、なんとなく働く気になれず、なんとなく死にたくなる…転がりに転がる二十六歳の女性を主人公に、ふんわりと現代的な女性のある1年弱を題材にした作品、そこにしっかり絶望と希望を見ました。
文芸

職業上の夢と人生の力強さ『空飛ぶ広報室』有川浩

夢がかなわなくても、なりたい職業に就けなくても、人生は続く。 この強い言葉が希望のように響く印象が、私は同作にはずっとあった。これは決して絶望の言葉ではないはずで、もしもその続く人生が暗く感じられる人にはぜひ読みやすい原作小説からあたってみ...
文芸

80歳でなお加速する作家、成長し続ける物語『クロコダイル路地』皆川博子

皆川博子の作品を読んだ後には、濃密で圧倒的な一つの人生や物語の跡だけが残る。 つまらない?とんでもない!
文芸

得て失った中年男性の人生の悲哀『黄金列車』

佐藤亜紀さんは私にとってだいぶ特別な作家さんなので、今回はだいぶ長いです。今月頭に読売文学賞を受賞された最新作「喜べ、幸いなる魂よ」(2022)が先月1/23に文庫化と知り、ポチりました!
文芸

才能で”書けてしまう作家”の短篇集『掌に眠る舞台』小川洋子

小説家の技術を感じさせる作家に佐藤亜紀が浮かぶとすれば、小説家の才能で浮かぶのは著者だ。  小川洋子の魅力はまずモチーフ選びにあるし、豊かなそれを例えば実写化するよりも素敵に仕上がる文章で書きあげる所で、ああ、いい小説家だなあと思う。 どう...