文芸 80歳でなお加速する作家、成長し続ける物語『クロコダイル路地』皆川博子 皆川博子の作品を読んだ後には、濃密で圧倒的な一つの人生や物語の跡だけが残る。 つまらない?とんでもない! 2024.02.24 文芸現代国内
文芸 得て失った中年男性の人生の悲哀『黄金列車』 佐藤亜紀さんは私にとってだいぶ特別な作家さんなので、今回はだいぶ長いです。今月頭に読売文学賞を受賞された最新作「喜べ、幸いなる魂よ」(2022)が先月1/23に文庫化と知り、ポチりました! 2024.02.17 文芸現代国内
文芸 才能で”書けてしまう作家”の短篇集『掌に眠る舞台』小川洋子 小説家の技術を感じさせる作家に佐藤亜紀が浮かぶとすれば、小説家の才能で浮かぶのは著者だ。 小川洋子の魅力はまずモチーフ選びにあるし、豊かなそれを例えば実写化するよりも素敵に仕上がる文章で書きあげる所で、ああ、いい小説家だなあと思う。 どう... 2024.02.14 文芸現代国内
文芸 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』村田沙耶香 『コンビニ人間』であれだけの完成度とテーマ性を誇った作者の作品の中でも、ひときわ目を引いた本作を図書館の本棚で見つけた時は嬉しくてすぐに手を取った、そのあとで『コンビニ人間』を先に読んで、なんて素晴らしい作品だろう、と感激した私は次に読むの... 2024.02.11 文芸現代国内
文芸 社会に馴染む私の達成、人間のマニュアル『コンビニ人間』村田沙耶香 近年の芥川賞受賞作の中で、商業的にも本質的にも貢献度が高いイメージが本作にはある。ブログ開設初年度は、私にとって十年ぶりに文芸読書を再開した年になるのだが、その開始直後にすぐに読んだ本作にはそれだけの知名度があるし、影響力もあっただろう。 ... 2024.02.09 文芸現代国内
文芸 芥川賞作家が描く閉じた世界の綺麗な家族『星の子』今村夏子 家族と読書の悲しみや可笑しさ、愛おしさやままならなさを強く感じる一作。 過去に書いた記事を読み直すと、筆致も足りないし編集もどうなんだろうと感じることが結構あるが、本項の締め方などは結構好きで、それを引き出すのは間違いなくこの家族でその読書... 2024.02.03 文芸現代国内
文芸 代表作論争に巻き込まれた、心が壊れかけた子供たちへの目線『かがみの孤城』辻村深月 辻村深月は作品性に優れるのに小説家としてはどうなのかという意味でその資質は判断に迷う。本作も刈り込める部分は多分にあって、魅力的な発想力に対し創作的な完成度が不足している。では辻村深月の豊かな作家性とはどこにあるのか。 2024.02.02 文芸現代国内