本筋 文芸読書というモラトリアム、あるいは言語全般の価値という空想 労働と資産形成、筆致と創作性について、悩んでいました。働きながらの読書に、ハズレが混じって不安が膨らみ、五月最後の投稿はドーピングを使っても通常土曜からまさかの火曜までずれ込みましたが、四月と五月の振り返りが出来て個人的には最終満足。 2024.05.28 本筋
現代国内 「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子 人生初書評に引用させて頂いた本作、やっと原作小説読みました。結婚詐欺により口座残高が427円になった主人公が、友人の助言に従い、自炊や節約、日雇いバイトや派遣労働に勤しむ日々。 ガツガツ働く、コツコツ貯める、いつもここから始められる人生の豊かさと個人の力強さの清々しさが私は好きですし、本作には節約生活を彩る可愛らしさがあるのも好み。 楽しく読めます。 2024.05.18 現代国内
文芸 「諸葛亮」宮城谷昌光 歴史小説は個人的にミステリー小説と同様に創作技術の一つであり、物凄くエンターテイメントなと思う。その中でも私は宮城谷正光と司馬遼太郎は好んで読んだ。 歴史的な激動を描くということは、臨場感や血がたぎるさまにどうしてもなりがちだと思うが、宮城... 2024.05.11 文芸現代国内
文芸 「双眼鏡からの眺め」イーディス・パールマン 本作の翻訳版の初版は二〇一三年五月らしく、私は時期的にその少しあとぐらいまで読書をしていたのかなと思う。当時私が本著を手に取ったのは題名と装丁が素敵だったから程度の選択で、正直に言うとその時の私はこれを読み終えずに図書館に返却した。 本著は... 2024.05.04 文芸海外作品
文芸 「喜べ、幸いなる魂よ」佐藤亜紀 当ブログでも1.2を争う人気ページの作者様の2冊目。予備知識なくても誰もが楽しめる、従来の著者の作品には絶対言えない感想を読み返していて自分が1番驚きました。重さと暗さの「黄金列車」に対し、軽さと明るさの本作、著者の幅と力強さの豊かさをぜひ味わってもらいたい。 2024.04.27 文芸現代国内
文芸 「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ ブッカー賞・ノーベル賞受賞作家の代表作、そして傑作なんでしょう、私も感動しました。しかし非常に複雑。これを大声で素晴らしいと言える人、すごいな純粋に。それほど退屈で、完成度が高く、疑問符が残る作品。ある意味でこのつまらなさは日本の純文学的なことなのかも? 2024.04.13 文芸海外作品