世界文学旅行 体制・逃亡者・村人、二十世紀的なモチーフの中に生きる”私たち”「狼たちの月」「密やかな結晶」フリオ・リャマサ―レス、小川洋子 スペイン内戦は1936年7月から1936年4月の間に、スペイン第二共和国政府に対して将軍が率いた陸軍によるクーデターから始まったスペイン国内の抗争。反乱軍の勝利に終わり、独裁政権の樹立へと繋がる。そうした大きな歴史の流れの中に見えなくなって... 2024.10.12 世界文学旅行文芸海外作品現代国内
世界文学旅行 『ザリガニの鳴くところ』2年連続米国で最も売れた小説、ジェンダー的ヒロイック 女性性の生命力、男性性の暴力性 全般的に物凄く魅力的な作品に仕上がっている。特にこの生命力と、作品性の豊かさは目を見張るものがあるし、ある死体の発見からクライムノベル的なフーダニットが存在するが、本作のリーダビリティは圧倒的に主人公の少女... 2024.10.08 世界文学旅行文芸海外作品
世界文学旅行 作家がその人生に見出した虚構性『たんぽぽのお酒』で思い出す『無声映画のシーン』レイ・ブラッドべリ、フリオ・リャマサーレス 書くことの効能や、物語にすることの効果については色々言われるところだと思うが、その生業は夢遊病者やほら吹きのようでもあるし、壮大な夢やちっぽけな愛おしさが、いかに自分の胸を打ち、他人にとっての価値になるのか。たかが文書、たかが物語の、現代に... 2024.10.05 世界文学旅行文芸海外作品
非文芸 【図書】作家本人の虚構性と生命力、ミステリの女王の紹介本「クリスティを読む!」大矢博子 小説家とか俳優とか、虚構創作に携わる職業にはえてして虚構性に恵まれたり押し付けられたりするし、現代で言うところのブランディングを含めたイメージ性が商業性や文学的な色気の箔付けになったりする。 世界的に際立つミステリ作家といえば私は一番にアガ... 2024.10.01 非文芸
映画ピックアップ 【映画】イケメンと映像美で釣る続編詐欺、チョコに込めた想いが”彼”に繋がる『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』80点 「Wonka」(2023) 2005年度版の『チャーリーとチョコレート工場』はジョニデと映像詐欺だし、今回もイケメンと有名な2025年度版の続編詐欺を働いている疑惑があるが、ただそれは1971年度版の続編をたくさんの人に見てもらうために、... 2024.09.28 映画ピックアップ
文芸 柚木麻子の真価とは?主人公までの距離『マジカルグランマ』『さらさら流る』 「物語には主人公の成長が必ずしも必要ではない、主人公が成長しなかったとはいえ、本作がつまらないとは言えない」みたいな文章をかつて読んだことがあるが、うじうじするそれを美徳とするような古風な純文学などはそうかもしれないが、紆余曲折あるはずのプ... 2024.09.21 文芸現代国内
映画ピックアップ 【映画】虚構性ナンバー1映画、創作上の難点「ダークナイト」96点 (The Dark Knight)(2008) 2024年の夏頃、映画を30本ほど見て映画記事を毎日更新していた時期がありました。 その期間で見た中で一番好きだったのが本作、とりあえずジョーカーの魅力が凄かった。今思い出しても、虚構性... 2024.09.18 映画ピックアップ