G-40MCWJEVZR おひさまの図書館 - - Page 6
文芸

現代小説の癒しチーム代表「木曜日にはココアを」「お探し物は図書室まで」青山美智子

主体的な行為や誠意をいかに排除するかで成り立つ娯楽性を発達させていく商業の中では、受動性の易きに流れる消費者を取り込むように、提供側は主体性の根本を減らしてきた。文章を読むということの主体性にある労力が、受動性に特化してきた現代の他の娯楽に...
文芸

体制・逃亡者・村人、二十世紀的なモチーフの中に生きる”私たち”「狼たちの月」「密やかな結晶」フリオ・リャマサ―レス、小川洋子

スペイン内戦は1936年7月から1936年4月の間に、スペイン第二共和国政府に対して将軍が率いた陸軍によるクーデターから始まったスペイン国内の抗争。反乱軍の勝利に終わり、独裁政権の樹立へと繋がる。そうした大きな歴史の流れの中に見えなくなって...
文芸

「ザリガニの鳴くところ」2年連続米国で最も売れた小説、という触れ込み

全般的に物凄く魅力的な作品に仕上がっている。特にこの生命力と、作品性の豊かさは目を見張るものがあるし、ある死体の発見からクライムノベル的なフーダニットが存在するが、本作のリーダビリティは圧倒的に主人公の少女カイアが親に捨てられ、兄弟にも逃げ...
文芸

作家がその人生に見出した虚構性「たんぽぽのお酒」で思い出す「無声映画のシーン」 レイ・ブラッドべリ、フリオ・リャマサーレス

まず題名に惹かれて「たんぽぽのお酒」を読んだ。 著者はレイ・ブラッドベリ、米国のSF作家として代表作の「華氏451度」や「火星年代記」などで有名なので、名前は見知っていたが著作を読むのは初めて。  私は読中、かつて読んだフリオ・リャマサーレ...
非文芸

【図書】「クリスティを読む!」大矢博子

日本の近現代のミステリーの親しまれ方は、図書室のシャーロックホームズだったり、名探偵コナンや金田一少年の事件簿だったりのアニメや漫画による広く浅くであったり、連続ドラマによる刑事物や2時間もののサスペンスやその原作、小説でも東野圭吾や宮部み...
映画ピックアップ

【映画】若手スターの台頭と成否、チョコに込めた想いが”彼”に繋がる「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」80点

「Wonka」(2023) チョコレートによる汚職は面白かったし、やはりまずは映像美、これは間違いなく素晴らしくて、主役のウォンカも華があって世界観は良し。しかしミュージカル映画としての圧巻や、夢や希望の明るさがテーマの作品性にしては楽しさ...
文芸

「マジカルグランマ」までの距離 柚木麻子

「物語には主人公の成長が必ずしも必要ではない、主人公が成長しなかったとはいえ、本作がつまらないとは言えない」みたいな文章をかつて読んだことがあるが、うじうじするそれを美徳とするような古風な純文学などはそうかもしれないが、紆余曲折あるはずのプ...