文芸 「神さまを待っている」畑野智美 派遣社員から失業保険期間のハローワーク通い、漫画喫茶に寝泊まりして軽度のパパ活を始めて日雇い労働には戻れず、なんとなく面接に行けず、なんとなく働く気になれず、なんとなく死にたくなる…転がりに転がる二十六歳の女性を主人公に、ふんわりと現代的な女性のある1年弱を題材にした作品、そこにしっかり絶望と希望を見ました。 2024.03.24 文芸現代国内
文芸 職業上の夢と人生の力強さ『空飛ぶ広報室』有川浩 夢がかなわなくても、なりたい職業に就けなくても、人生は続く。 この強い言葉が希望のように響く印象が、私は同作にはずっとあった。これは決して絶望の言葉ではないはずで、もしもその続く人生が暗く感じられる人にはぜひ読みやすい原作小説からあたってみ... 2024.03.17 文芸現代国内
世界文学旅行 現代日本と関係がなくても、他の誰が読まなくても、私が確信すればそれは文学『都会と犬ども』マリオ・バルガス=リョサ ネット上で散見される攻撃的な困ったちゃんから、何も獲得出来なさそうなチー牛こと弱者男性などのバーチャルから、現実的な愛しいあの人まで、全部ひっくるめた全ての男性への憐憫と慈愛の一考が止まらない一冊! 2024.03.09 世界文学旅行文芸海外作品
文芸 80歳でなお加速する作家、成長し続ける物語『クロコダイル路地』皆川博子 皆川博子の作品を読んだ後には、濃密で圧倒的な一つの人生や物語の跡だけが残る。 つまらない?とんでもない! 2024.02.24 文芸現代国内
文芸 得て失った中年男性の人生の悲哀『黄金列車』 佐藤亜紀さんは私にとってだいぶ特別な作家さんなので、今回はだいぶ長いです。今月頭に読売文学賞を受賞された最新作「喜べ、幸いなる魂よ」(2022)が先月1/23に文庫化と知り、ポチりました! 2024.02.17 文芸現代国内
文芸 才能で”書けてしまう作家”の短篇集『掌に眠る舞台』小川洋子 小説家の技術を感じさせる作家に佐藤亜紀が浮かぶとすれば、小説家の才能で浮かぶのは著者だ。 小川洋子の魅力はまずモチーフ選びにあるし、豊かなそれを例えば実写化するよりも素敵に仕上がる文章で書きあげる所で、ああ、いい小説家だなあと思う。 どう... 2024.02.14 文芸現代国内
文芸 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』村田沙耶香 『コンビニ人間』であれだけの完成度とテーマ性を誇った作者の作品の中でも、ひときわ目を引いた本作を図書館の本棚で見つけた時は嬉しくてすぐに手を取った、そのあとで『コンビニ人間』を先に読んで、なんて素晴らしい作品だろう、と感激した私は次に読むの... 2024.02.11 文芸現代国内